学生時代すごくかよっていました。
Tシャツ屋さんです。大学で東京にいた時頻繁に通っていました。かれこれ二十年以上前のことです。今もあるなんてとても嬉しい。場所はあまり目立たない路地裏と言って差し支えない場所ですが、下北沢という街は、表通りよりもそういう路地にこそ価値があるような街でもあるので、なんのデメリットもなく、下北沢らしい立地と言えます。でも、下北沢という街のお店としては少し異質な感じのする店でした。今でこそgraniphは多くのイオンにテナント入居していて、メジャーな存在と言って良いと思いますが、当時は下北沢店の他に聞いたことなく、むしろここだけの店だと思っていました。今でもここが一号店なのではと思っていますが、Tシャツ専門店というコンセプトをとても新鮮に感じたのを今でも覚えています。たくさん購入しましたが、今も2着現役で着ています。なぜこのお店が異質だったかというと、そのコンセプトが新しいことだけではありません。根本的に下北沢という街は、ファッションで言うと、圧倒的に古着の街なのです。それも、今やメジャー化した古着のチェーン店なんてほとんどなく、またブランド古着とかではない、アメリカ物など本当の意味での昔ながらの古着を扱う個人店ばかりでした。名古屋でいうと昔の大須みたいなイメージです。そんな下北沢で、新品の服を扱う若者向けのお店っていうのが珍しかったのです。しかも、価格帯を統一していたり、複数枚買ったら安くなる、みたいなシステマチックな仕組みが、下北沢のほかのある意味商売っ気の薄いお店と比較すると、ビジネスライクな感じがして、それが違和感の正体でした。下北沢の服屋さんとしてはちゃんとした接客をしてくれるのも新しかったなあ。店内デザインもきれいで新しくて、ちゃんとした無垢の木材の棚で統一されていて、そういうところも下北沢っぽくなかったです。と言いながら下北沢っぽいところもあって、整然と並んだ大量のしかも多彩なTシャツが、中古レコード漁りをする下北沢の文化にも通じるところがありました。デザインはちょっととがったものが多かったです。このお店が成功して良かった!