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素材を知る[柄編] ストライプ
衣服やインテリアファブリックの縞模様をストライプといいます。2種以上の色糸を用いたり異なる組織によって織ったものと、プリントによるものとがあります。横縞と縦縞があり、その種類は多岐に渡ります。同じ縞模様でも、ボーダーを横縞とし、ストライプを縦縞として使い分ける場合があります。
ストライプの歴史

古来、日本語では縞は筋と呼び、渡来品の筋ものを「島もの」と呼んで区別し、それに「縞」の字を充てました。日本では平安期には、縞模様は単調であることが嫌われ、着物の柄としてはあまり用いられませんでした。 戦国時代に入ってから、武士が鎧兜の威糸によって作られる横縞模様に意味付けを行なったことから、武士の家柄や階級を表す模様とされました。 鎌倉時代から江戸初期にかけては、望月間道(もちづきかんどう)や甲比丹(かぴたん)といった縞模様の布が中国やインドから輸入されたことから見直され、着物の柄として使われるようになり、「縞のお召し(縦縞模様のお召し縮緬の着物)」が粋の象徴とされるまでになりました。
江戸時代中期になると、木綿の流通とともに縦縞が流行し、庶民の服装へも大いに取り入れられました。また、特別な意味合いを持つ縞模様に、斑幕(まだらまく)があり、その中には紅白幕、鯨幕、浅黄幕の他、紺白幕、紫白幕、黒黄幕などがあります。白と黒の鯨幕は、大正時代以降、弔事に用いる機会が増えましたが、本来は慶弔問わず使用する縞模様で、紅白幕より歴史が古く、また格式が高いとされています。
西洋の場合、中世ヨーロッパにおいては、横の縞模様は悪魔の模様と見なされ、犯罪者や異端者に横縞模様を身に付けさせる風習がありました。 逆に、悪魔が嫌う縦縞模様のパターンも存在し、パジャマやお守りの柄として使用されました。現在でもフォーマルな洋服やパジャマとなるストライプシャツやストライプパンツは、縦縞模様のものが比較的に多いようです。
ストライプの種類
西洋の服地のみならず、日本古来の着物にも様々な縞模様が使われ、その種類は大変豊富です。
ロンドン・ストライプス(ブロックス・ストライプ)
最も定番といえるストライプ柄です。0.5mm程度の幅の縞が等間隔で並んでいる柄のことです。日本では「ロンドン・ストライプ」と呼ばれますが、英米では「ブロックス・ストライプ」と呼ばれています。
チョーク・ストライプ
スーツなどによく用いられている柄で、黒・グレー・紺などの濃色の地に、チョークで書いたような白くてかすれた縞が配置されたものです。グレー・紺などの濃色の地に、白などの淡い色で小さい点を打ったように細いラインを敷いた縞模様です。
ペンシル・ストライプ
鉛筆で線を書いたような細さの縞模様です。チョーク・ストライプよりも細く、輪郭がはっきりしているのが特徴です。
ボールド・ストライプ
輪郭がくっきりとしている、太めのストライプのことです。
ダブル・ストライプ
2本の細いラインが1組になって敷かれた縞模様です。
トリプル・ストライプ
3本の細いラインが1組になって敷かれた縞模様です。
ヘアライン・ストライプ
髪の毛のように極細の縞模様。よく見なければ、無地のような印象を与えます。
シャドー・ストライプ
一見無地に見えますが、光の加減によって現れる縞模様。よりの方向が違う糸を組み合わせて織ることで形成されます。
親子縞
日本で発展した縞模様。外側に太い線(両親)、内側に細い線(子)がある柄です。英語では「シックシンストライプ」と呼ばれます。
鰹縞
鰹の体色のように、濃い色から薄い色へと変化をつけた縞模様のことです。